オークス2018のデータ 其の7
オークス2018のデータ其の7 S
【2018オークス】
芝2400メートルでの頂上決戦!
さて、先週のヴィクトリアマイルはいかがでしたでしょうか?第13回ヴィクトリアマイル・G1は13日、東京競馬場の芝1600メートルで行われ、8番人気の伏兵ジュールポレールがゴール前の大接戦を制して鼻差勝ち。雨を味方に昨年の3着から躍進を遂げ重賞初制覇をG1で飾った。大混戦の1番人気に支持されたリスグラシューは、G1でまたも2着に敗れ、3着には7番人気のレッドアヴァンセが続いた。
勢いよく伸びる3頭の馬体がゴール前で際どく重なり合った。ジュールポレールは、先頭で粘る内のレッドアヴァンセをかわし、外から迫るリスグラシューの猛追を鼻差でしのいだ。G1初制覇に導いた幸は「(リスグラシューの武)豊さんに『どっちや?』と聞かれて、分かりませんと答えました。向こう正面でJRAの職員の方が、『勝ってます』と言ってくれて…ようやく分かりました」と大接戦を制して会心の笑顔を浮かべた。
道中はイメージよりも後ろの、8番手となったが馬のリズムを重視した。午後から降り始めた雨で、昨年と同じ稍重となった馬場も苦にせず、直線では鋭い末脚を見せた。「1列くらい後ろになってしまったが、最後はいい脚を使ってくれるので。いつでも動ける位置を取れた。この雨も良かったと思うので、本当に運が良かった」と幸。この馬にとって硬すぎず軟らかすぎない適度な馬場を生んだ“恵みの雨”を勝因に挙げた。初G1挑戦だった昨年も3着に好走していたが、西園調教師は…「昨年と比べると脚元の不安がなくなって、しっかり仕上げられた。成長を感じました」と
手応えをつかんでいた。これまでは重賞勝ちもなく、登録の段階で出走馬決定賞金順では最後の18番目だったが、うまく滑り込めた運もあった。
マイルCS勝ちの半兄サダムパテックも管理していた西園師は、「最初からパテックの妹というので、大きい仕事を期待していた。やっとお兄ちゃんの域に達しました」と目を細めた。「パテックはすごく穏やかで、性格は全然違いますけど、根性は一緒ですね」と、2頭目のG1馬を送り出した母サマーナイトシティのDNAが鼻差勝ちにつながったと思い知ったようだ。
待望のタイトルを手にして、次走は安田記念(東京、6月3日)を視野に入れる。「(今回は)賞金が一番下だったが、もう心配ないですね」と胸を張って2つ目のタイトル奪取へ意欲を見せた。
さて、話は変わりまして…今週末はオークスが行われます!2400メートルという距離は、3歳の牝馬たちにとっては初めてとなることがほとんど。
スピードだけでは押し切れず、スタミナだけでも上位には入れない、総合力を要求される舞台。
出走馬たちがこの距離に対応できるのかどうか、今年もそこが大きな注目点になるでしょう!
【2018オークス】
芝2400メートルでの頂上決戦!
さっそく出走予定馬を見てみましょう!
アーモンドアイ 牝3 55
ウインラナキラ 牝3 55
ウスベニノキミ 牝3 55
オールフォーラヴ 牝3 55
オハナ 牝3 55
カンタービレ 牝3 55
ゴージャスランチ 牝3 55
サトノワルキューレ 牝3 55
サヤカチャン 牝3 55
シスターフラッグ 牝3 55
スカーレットカラー 牝3 55
トーセンブレス 牝3 55
トーホウアルテミス 牝3 55
パイオニアバイオ 牝3 55
マウレア 牝3 55
ラッキーライラック 牝3 55
ランドネ 牝3 55
リリーノーブル 牝3 55
レッドサクヤ 牝3 55
ロサグラウカ 牝3 55
桜花賞を衝撃の末脚で完勝したアーモンドアイが不動の中心となりそうだ。人気こそラッキーライラックに譲ったものの、レース内容はほぼ最後方から直線だけで大外をぶち抜くという破天荒な内容。血統こそ違うものの、ハープスターやブエナビスタの桜花賞を思い起こさせるような衝撃の末脚であり、同条件下では完全に勝負付けが済んだような印象がある。問題は東京の2400mという条件。ロードカナロア産駒ということもあり不安視する声はあるものの、コース改修後の桜花賞はオークスに直結しているという点と、母のフサイチパンドラがオークス2着ということもあり、地力も含め十分にカバーできると考えられる。馬場が渋っても問題はなく、現時点で不安はまったくない。桜花賞ではそのアーモンドアイに完敗する形になったものの、東京2400mに変わって逆転を狙うのはラッキーライラックだ。桜花賞は1枠から若干窮屈なレースになったが、最後抜け出したあたりは3着以下との地力の差を見せた。アーモンドアイの異次元の末脚には屈したものの、この馬の力も再確認できるレースぶりだったように思う。血統的な期待値はオルフェーヴル産駒ということもありこちらのほうが上。スタミナ勝負の要素を増やすようなレースでなんとか一矢報いたいところ。フローラSを圧勝したディープインパクト産駒のサトノワルキューレもスケール感では負けていない1頭。フローラSは最後方から大外を回すという大味なレースだったものの、ラスト5Fをほぼ自身の時計で57秒、驚異的なロングスパートで乗り切っており、東京コースの適性とスタミナを示した格好だ。まだ底を見せておらず、条件戦ではあるものの2400mの距離経験があるのは、大きなプラスで、アッと言わせる可能性は十分にある。
上記3頭とは差があるかも知れないが、阪神JF2着、チューリップ賞3着、桜花賞3着と、ここ3走安定して走っているリリーノーブルも先行策がハマれば馬券圏内はあるか。ラッキーライラックに3戦連続で負けているように勝負付けはついてしまった感こそあるが、前走は強気の競馬で溜めてキレなかったチューリップ賞の反省は活かすことができた印象。血統的に距離延長は問題なく、ここは思い切った先行策で後続の牽制を引き出せれば面白い。同じように勝負付けは付いてしまった感のあるマウレアも、輸送や滞在のない東京コースで巻き返したい。前走の桜花賞(5着)は道中の行きっぷりも反応も今ひとつ。チューリップ賞(2着)の内容を考えればもう少し走れても良さそう。栗東滞在で調整が今ひとつ上手くいかなかった点もあるかもしれない。輸送のない関東圏の競馬でどこまで上積みがあるかといったところ。
他にも底を見せていないカンタービレ、末脚の安定感は光るトーセンブレス、ここにきて上昇著しいランドネ、忘れな草賞の内容が素晴らしいオールフォーラヴ、前走で一気の上積みを見せ権利を獲得したパイオニアバイオなどが虎視眈々と上位を狙っている。